大判例

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最高裁判所大法廷 昭和22(れ)332 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人四名弁護人阿比留兼吉上告趣意について。

本件犯罪事実は、強盗殺人、死体遺棄、恐喝、強盗及び窃盗という各種の犯行に

亘り、共犯者は常に四名、九名、十三名という多数にのぼり、該共犯者の中には英

占領軍兵士五名乃至七名が加担しており、又被害者の中には朝鮮人も含まれており、

罪質は重く事件としては非常に複雑を極めているものと認めなければならない。従

つて、その取調及び審理に甚だ手数を要すべきことは事理の当然であり又これを要

したことは一件記録において明らかである。しかのみならず、被告人A、B、Cの

自白は何れも保釈中になされたものである。所論の自白が、憲法第三八条第二項に

いわゆる「不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」に該当しないことは、多

言を費すまでもないところである。されば、論旨は理由がない。

被告人D上告趣意について。

所論は、被告人がした殺人行為については初めから殺意をもつて計画的にしたも

のではなく又被害者からその所持品を奪い取り被害者を処分したのは共犯者であ

ると主張するのであるが、原判決の認定した犯罪事実は、原判決の挙げている諸証

拠によつて十分肯認することができる。又被告人が原審で証人として申請をした共

犯者は既に第一審で訊問せられており、原審が取調の必要なきものと認めて却下し

たことは、別段違法となるべき理由もない。論旨は、結局事実審である原裁判所の

裁量に属する事実認定の不当乃至証人申請の採否を非難するに過ぎないから、上告

適法の理由とはならない。

よつて、裁判所法第一〇条但書第一号刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決す

る。

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この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 橋本乾三関与

昭和二三年七月一四日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

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